JMD&MT MEDTEC医療機器誌

MEDTEC 医療機器誌 2017 年春/夏号

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FEATURE Medtec Medical Device Magazine Japan 2017 年春/夏号 | 21 た製品もある(図2)。 一般消費財では価格下落は市場拡大を伴うため、必ずしも売 上へのダメージを意味しない。しかし症例数が限られる医療材 料で価格下落だけが起こればメーカーにとって死活問題となる。 戦略的価格管理とは?―製品価格 一般的な価格設定のロジックは「製品価格」と「顧客価格」の両 面から成り立っている。前者は製品の価値に基づいた価格設定、 後者は顧客のパフォーマンスや支払意思に基づく価格設定である (図3)。 技術料に含まれて償還価格が決まっているタイプの医療機器 では、多くの場合、「製品価格」設定が原価をもとに比較的単純 なコストプラスでリスト価格が設定されており、製品の価値に応 じて差別化されていない。また、リスト価格変更が行われる頻度 は極めて少ない。 一方、特定保険医療材料では 以前はリスト価格=償還価格だ ったが、最近はリスト価格を償還 価格より高く設定するケースが出 はじめている。償還価格が下落 した後、通常、病院は価格下落 前と同じ掛率で取引をしようとす る。これに対し、償還価格より高 く設定したリスト価格に同 様の 掛率を適用することができれば、 病院納入価格の下落を縮小でき ることになるためである。しかし ながら、その際のリスト価格の設 定は、どの製品でも一律に加算 する場合が多く、製品ごとの差別 化はできていない。 このような状況に対し、サイモ ン・クチャーでは製品の価値に応 じて、体系的にリスト価格を差別 化することを提案する。 これらにはステークホルダー に対する市場調査を実施する 方法や、リスト価格を上下した 場合にどれくらいの数量へのイ ンパクトがあるかを推計し、価 格感度をシミュレーションする する方法がある。また、製 品の 価値を構成する要素(価格ドラ イバー)を特定、評価し、製品ご とに自動的に適切なリスト価格 が算出されるモデルを構築す ることで、最適な価格を設定す ることも可能である。状況に応 じて方法を使い分ける必 要があるが、その目的は製 品の 価格を体系的に差別化し、利益を改 善することにある。 戦略的価格管理とは?―顧客価格 次に顧客価格の設定について、山城氏が指摘するのは、納入 する病院によって掛率に非常に大きな幅がある点である。多くの 場合、掛率の設定は営業マンの経験と勘で行われており、どのよ うな取引の場合にはどの価格で売るというガイドラインがない。 サイモン・クチャーでは、病院タイプ(院長の経営への関与度な ど)、購買プロセス(現場と用度課の関係など)、地域といった「 顧客の支払意思」と、売上高(成長率)、自社製品シェア、営業コ ストといった「顧客の魅力度」の観点から評価要素を設定し、体 系的な価格ガイドラインを作成することにより、取引や顧客ごとに 目標販売価格を算出することを提案している。 図2 図3

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