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MEDTEC 医療機器誌 2017 年春/夏号

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20 | 2017 年春/夏号 Medtec医療機器 medtecjapan.com 特集記事 FEATURE 特集記事 日本の保険制度下で販売される 医療機器については、医師等の「技 術料」に含まれて償還価格(保険者 から病院に支払われる価格)が決ま るものと、個別の償還価格が決まっ ているもの(特定保険医療材料)が ある。この枠組みを基本として、医 療機器メーカーがリスト価格を決定 し、病院との交渉で納入価格が決ま っている(実際はディーラーが仲介 する場合が多い)。 サイモン・クチャーアンドパート ナーズジャパン株式会社の山城和 人氏は、医療 機 器のリスト価格の 設定、納入価格の設定の両面にお いて、日本のメーカーには戦 略的 に価格管 理を行うという視点が欠 如していたと指摘する。今回、特定保 険医療材料に焦点を当てて価格設定の課題と提言を聞いた。 日本における医療機器の価格設定の課題 ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD)、ステントといった高 額な植込み機器は特定保険医療材料として個別に償還価格が 決まっている。まず、医療機器は、新規性が高いために新たに償 還価格が設定される場合(C区分申請)もあるが、多くの場合で 償還価格が決まっている既存の機能区分に入るため、新製品だ からといって高い償還価格となることが難しい制度になってい る。これが新薬ごとに価格が評価され、既存薬に対してプレミア ムが認められることが一般的な医薬品との大きな違いだ。 また、価格管理において大きな要因になるのが、2年ごとの償 還価格の改定である。厚労省では実勢価格(病院への納入価 格)を調査し、それに基づいて償還価格を決定するため、病院と の交渉で納入価格を値引きするとそれが将来の償還価格の下 落につながる。さらに、医療機器の場合は機能区分ごとに償還価 格が改定されるため、自社の製品の価格を維持しても、他社が 価格を下げていれば償還価格が低く改定されることになる。逆に 言えば、短期的にシェアを拡大するために他社より価格を下げる と、長期的に償還価格の下落を招くことになる。 加えて、医療機器メーカーでは、償還価格に基づいてリスト価 格を決め、リスト価格からの掛率によって病院への納入価格を決 めるが、償還価格改定への影響を考慮して納入価格を決定する ようなことはあまりなく、新製品上市時や償還価格下落時にも以 前の掛率を維持するなど、価格管理への意識が薄いことがわか っている。 例えば薬剤溶出ステント(DES)の売上の推移を示す図1で は、サイモン・クチャーの分析により償還価格の下落によって業界 全体で1,700億円の逸失利益があったと推計される。また、整形 外科向け植込み材料では最近10年で償還価格が半分に下落し 医療機器の戦略的な価格管理 医療機器をどのような価格で販売するかは保険制度や流通システムに依存しており、国・地 域で事情が異なる。医療機器の価格戦略について世界各国にコンサルティングを行うサイモ ン・クチャーでは、日本における医療機器価格について問題提起を行い、価格管理戦略を見 直すべきと提言している。 Strategy for Price Managements of Medical Devices By:MEDTEC Japan 編集部 図1

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