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MEDTEC 医療機器誌 2017 年春/夏号

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FEATURE Medtec Medical Device Magazine Japan 2017 年春/夏号 | 15 だ。禁煙は1年の継続率が3割程度と低 い一方、意欲の継続が非常に重要になる ため治療アプリのアプローチが有効であ る可能性が高い。さらに日本では喫煙が 死亡要因の第1位と報告されており、禁煙 がもたらす社会的インパクトは大きいと予 想できる。 医療機器として製品化するために、慶 應義塾大学病院など7施設の協力を得て 2015年2月に臨床試験を開始している。 さらに第2弾として、脂肪肝治療アプリ の開発をはじめた。非アルコール性脂肪 性肝炎(NASH)は肝硬変や肝癌のリスク がある疾患として注目されているが、現 状のガイドラインで示されている最も信頼 性の高い治療法は食事や運動療法によ る減量のみで、確立した治療法が存在し ない。治療アプリによって患者個人に合わ せた指導を行うことで治療効果が得られ れば、脂肪肝の治療を希望する患者の救 いになるのではないかと考えた。 こちらは治療アプリのコンセプトに賛同 した東京大学医学部附属病院消化器内 科と共同で開発を進めている。臨床開発 では大学や病院との連携が必須だが、い ずれでも国内最高峰のアカデミアの支援 を頂けていることは大きいと宮田氏はい う。 一般に臨床試験・治験には時間とコ ストがかかり、ベンチャー企業にとって は 高いハードルとなる。同社では資金 調達も積極的に取り組み、総務省「ICT イノベーション創出チャレンジプログラ ム」、経産省「ものづくり・商業・サービ ス革新補助金」、NEDO「研究開発型ベ ンチャー支援」に採択されたほか、ライ フサイエンス系ベンチャーキャピタルの Beyond Next Venturesの投資を受けて いる。さらに今年2月にはBeyond Next Ventures、慶應イノベーション・イニシア ティブ、SBIインベストメントから総額3.8 億円となる第三者割当増資を実施した。 海外で進むモバイルヘルス、日本初を 目指して アプリを使った治療効果(モバイルヘ ルス)に関する研究は海外を中心にアカ デミアではここ数年で急速に増加してい る。例えば海外では、アプリを使い糖尿病 患者個々人に最適化した行動インターベ ンションによって血糖コントロールが改善 したという報告がされている。また、経過 観察アプリにより進行肺がん患者の生存 期間が延長したことが示されている。 2010年には、2型糖尿病患者の血糖値 とアドヒアランスをモニターし、患者が自 身の状態をチェックし生活指導や服薬指 導を受けられるプログラム、「BlueStar」 (WellDoc社)がFDA認可を取得し、そ の後保険償還も行われるようになった。 日本でも2014年の法整備とともに、単 体ソフトウェアの医療機器の開発が進む ことが期待されたが、「未病・予防」段階 の健常者向け健康アプリは多く現れたも のの、患者の「治療」を目的として医師 が処方できる治療用アプリの開発はほと んど進んでいない。ネックとなっているの は、治療効果を裏付けるエビデンスを持 った「医療機器」として製品化するために は、時間もコストもかかる臨床試験・治験 を行う必要があるためだ。キュア・アップ は果敢にもこれに取り組んでいる。同社 が描いているのは「治療アプリ」が国、医 師・医療従事者、患者それぞれが抱える 課題に対して、モバイルテクノロジーとい う新たな切り口が解決策となる未来であ る。 国家レベルでは医療費の高騰や地域 格差の拡大といった課題があるが、新薬 よりは開発コストが小さい「治療アプリ」 は医療経済性が高い。また、地方・小規模 の医療機関でもインストールさえすれば 先進的な知見を活用できるため、医療の 地域格差の解消が期待できる。 医師・医療従事者にとっては、患者の「 意識・習慣」という従来の医薬品や医療 機器では限界があった新しい領域への介 入が可能になるため、新たな治療効果が 期待できる。また、アプリであれば追加処 方しても副作用や合併症の懸念がないと いうメリットも臨床医にとって大きい。 患者にとっても、新たな治療効果が期 待できる他、テクノロジーという新しいア プローチの提示により治療への興味を誘 発し、取り組む意欲を上げられるといった メリットが得られる。 製薬・医療機器業界では長年輸入超 過が続いており、国内企業とグローバル 外資メーカーの規模の差は大きい。しかし 「アプリの医療機器」という分野はアメリ カでもまだ立ち上がってきた段階である ほか、新薬と比べれば開発コストも低い ため、臨床試験を行うハードルは低くな る。それを活かしていち早く国内上市を 実現し臨床実績を蓄積すれば、世界にも アピールできる製品となる可能性もある。 同社では「治療アプリ」というグローバル スタンダードを日本から生み出すことも 視野に入れて着実に歩みを進めている。 ■ 株式会社キュア・アップ :cureapp. co.jp 株式会社キュア・アップの沿革

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